記者会見での弁護士の装い
弁護士の立ち位置
経営者と企業のブランディングに印象管理の重要性を伝える国際イメージコンサルタント、兼、リーダー服飾研究家の吉村ひかるです。
きっと質問が来るに違いないと思っていたら、やはり来ました。
先日開かれた日大アメフトの記者会見。
「弁護士って、ああいう服装で良かったのでしょうか。終始気になって仕方がなかったのですが・・」というもの。
そもそも当事者と同席する弁護士のポジションは、文字通り当事者を弁護する立場。
質問者に向けて、司法の立場から現状をわかりやすくお伝えします。
ひな壇に並んでいる光景は、ひとつのチームです。
一般の視聴者は、弁護士だからといって別個には見ません。
ましてや、ネームプレートが机上に置いてなければ、
会見を途中から見た人にとっては、誰が弁護士で誰が当事者か見分けがつきません。
そういった見方をされている現状を理解している弁護士がどこまでいるのかといつも感じています。
焦点を煙に巻く戦法とも考えられる
会見に臨んだ久保利弁護士の服装は、紫の眼鏡に太いストライプのダブルのスーツ。
ネクタイもかなり個性的。
ドラマティックというスタイルに分類されます。
つまり、遠くから見ても目立ち、一度見たら忘れられない存在感を放つスタイルのことです。
先頭きって会場に入場してきた光景に、私も「おーーっ」という印象でした。
このスタイルが良いか悪いかというという問題ではありません。
何を伝えたいかで、成功でもあるし反対でもあるのです。
会見が始まった途端に、SNS上に久保利弁護士の服装に関するコメントが溢れました。
「スーツが派手過ぎて気が散る!」
「すべてがトリッキー過ぎて話が入ってこない!」等々。
しかし、久保利弁護士は普段からこの服装スタイルは定番のようで、仲間内ではいつものスタイル、むしろ地味なほうだそうです。
過去に携わってきた案件から、きっと今のスタイルができ上ったのでしょう。
つまり、仲間内では理解されるが、彼を知らない人には理解されにくいということがわかります。
視聴者が日大に向けたイライラ感の矛先を、弁護士の服装に向けることで焦点を煙に巻く戦法でしたら大成功と言えるでしょう。
ドラマティックな装いを昇華させる
普通のスーツにしてしまうと、この方らしさが消えてしまいます。
時々、きちんとしなければと個性を消してしまう方をお見受けしますが、もったいないと思って見ています。
ドラマティック・スタイルでも静/動、明/暗と状況に合わせて、いくらでも表現することが実は可能なのです。
ひとつの見せ方だけに偏ってしまうと、ある場面ではOKでも、他の場面では評価が下がってしまう危険があります。
もし今回、そのような視点を入れていたら、マーケティング的には一般の視聴者の理解も得やすかったかもしれません。
不特定多数の方を相手にする装いは、落としどころをどうしたいかで選ぶ装いが変わります。
今回の会見は、それをよく表していた典型と感じます。
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Written by 吉村ひかる
グローバルでトップ10%の国際イメージコンサルタントと認定される
イメージブランディングのプロフェッショナル
- 株式会社BEST GRADE 代表取締役 リーダー服飾研究家
- BEST GRADE アカデミー主宰
- AICI国際イメージコンサルタント協会認定 国際イメージコンサルタントCertified Image Professional
- 一般社団法人パフォーマンス教育協会公認 エグゼクティブ・パフォーマンス・インストラクター