ジャケットの原型は軍服だった

ナポレオン・ジャケット
経営者と企業のブランディングに印象管理の重要性を伝える国際イメージコンサルタント、兼、リーダー服飾研究家の吉村ひかるです。
先週末、映画「ナポレオン」を見てきました。
見終わった後に席を立とうとしたら、後ろのカップルが「軍服ってカッコ良くね?」、「私もそう思った!」との会話。
同感!と心の中で呟やく私。
この手の映画はいくつも見てきましたが、これほどまでに軍服の美しさに感動したことがありません。
なぜなら、この頃が軍服が最も華美になった時代なのです。
幾多の衣装賞や衣装デザイン賞を手にしてきたジャンティ・イエーツとデヴィッド・クロスマンが担当でした。
ナポレオン・ジャケットと呼ばれるアーミー調のジャケットが、現代にアイコンとして根強く残っていることを考えると、
衣装がプライオリティの高い映画だったことに納得します。
ジャケットの原型は軍服
以外に知られていないのが、現在のジャケットの原型が軍服だったという事実。
スタンドカラー(立ち襟)の部分を寝かせて、前ボタンをいくつか外し、襟を大きく広げたものが現在のジャケットです。
最近、あまり見なくなりましたが、「学ラン」もその流れを汲んでいます。
立ち襟の部分が上衿、広げた前身頃の部分が下襟と呼ばれるものになります。
ボタンの数も3つボタンが段返りになり、2つボタンになり・・・と様々なスタイルができ上っていきました。
ゆえに、ジャストサイズで着ることが最も美しさを放つことは言うまでもなく、
その後ろ姿は、周囲の人々に追いていきたくなる気持ちにさせてしまうのです。
現在はビッグシルエットやオーバーショルダーのジャケットがトレンドとして散見されますが、ジャケットの再解釈として面白く見ています。
加えて、トレンチコートも塹壕から生まれており、Pコートは海軍から・・・というふうに、驚くほど軍隊に源流を持つ洋服は多いです。
ちなみに、ジャケットを女性用のビジネス服として提案した最初のデザイナーはジョルジオ・アルマーニです。
それまでも女性用のジャケットはありましたが、ご婦人用にとどまっていました。
エッセンスを引き継ぐ
先日の閣僚交代による就任式に、新閣僚が着用されていたモーニングコートや、12月10日に催されたアカデミー賞授賞式の燕尾服。そして軍服。
全て、古きよきものが現在は儀礼用の礼服になっています。
そう考えると、現在の我々のスーツやジャケットもいずれは、礼服として残っていくのかもしれません。
ライフスタイルは変化するのに、なぜ古きよきものが礼服として残るのか?
それは、ビジュアル的に権威付けができるからにほかなりません。
身近な例でいうと、学校の入卒式では校長先生がモーニングコートを着用しています。
国から決められている装いでもあるのです。
エッセンスを引き継ぎながら、変化を遂げていく過程。
どの業界でも同じことが言えますね。
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エグゼクティブに向けたイメージコンサルティングオフィスBEST GRADE
Written by 吉村ひかる
グローバルでトップ10%の国際イメージコンサルタントと認定される
イメージブランディングのプロフェッショナル
- 株式会社BEST GRADE 代表取締役 リーダー服飾研究家
- BEST GRADE アカデミー主宰
- AICI国際イメージコンサルタント協会認定 国際イメージコンサルタントCertified Image Professional
- 一般社団法人パフォーマンス教育協会公認 エグゼクティブ・パフォーマンス・インストラクター