「形無し」と「型破り」の違い
形無しと型破りの違い
経営者と企業のブランディングに印象管理の重要性を伝える国際イメージコンサルタント・リーダー服飾研究家の吉村ひかるです。
ご存知の方も多いと思いますが、先日の新内閣組閣の首相官邸写真をご覧になったお客様から「こうならない着こなしを教えてください」と問い合わせがありました。
歌舞伎界はじめ、様々な業界において「形無し」と「型破り」の違いが言及されています。
この言葉、もともとは歌舞伎俳優の18代中村勘三郎氏の座右の銘「型があるから型破り、型がなければ形無し」に由来しています。
ファッション業界でも同じことが言えます。
基本的な着こなしには、崩さないほうがよいところと、崩しても良いところがあります。
この「崩さないほうがよいところ」というのは、スタイルの骨格をなす部分で、崩してしまったらそのスタイルの良さがなくなってしまう部分です。
そこを崩してしまうと「形無し」になります。
「なんかだらしないよね」、とか「なんかチグハグだよね」と見る者に違和感を与える結果になります。
一方、「崩しても良いところ」を個性を持ってアレンジすると、全く逆に「センスいいですね」とか「オシャレですね」となるわけです。
モーニングコートの着こなし
モーニングコートにも正当な着こなしというものがあります。
コールズボンにはベルトはせず、サスペンダー(ブレイシーズともいう)を着けます。
付ける位置は、左右の脚のセンタープレス(クリースともいう)の延長線上。
こうすることで、コールズボンの縞模様とセンタープレスの真っ直ぐな線を引き立てて、脚がきれいに真っ直ぐ長く見えるのです。
この上にベストを着装すれば、お腹がはだけて見えることはまずありません。
スラックスの長さもサスペンダーをはめた状態で仕立てられています。
つまり、フォーマルは「フォームがある」、形があるということなので、正当な着こなしであればあるほど美しいというものです。
にもかかわらず、サスペンダーが面倒だといってスーツ感覚でいつのもベルトに変えてしまうと、
お腹が出ている人は、ベルトの位置が下がって、シャツのボタンがはだけてしまい、
スラックスの長さも本来だったらハーフクッションのところ5クッションくらいに足元でくしゃくしゃとなってしまうのです。
印象管理に大きな差
先日お会いしたイタリア人。
ネイビーのスーツスタイルに赤い靴下。
赤が気になったのでよくよく見てみると、メガネのフレームの赤とカラーコーディネートさせています。
別の機会には、裏地と表地を逆にして仕立てたジャケットを着たりしています。
こちらは、型無しではなく、型破りでしょう。
印象管理としては大きな差を生むので、何かアレンジしたいと考える時は、よくよく注意したいものです。
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エグゼクティブに向けたイメージコンサルティングオフィスBEST GRADE
Written by 吉村ひかる
グローバルでトップ10%の国際イメージコンサルタントと認定される
イメージブランディングのプロフェッショナル
- 株式会社BEST GRADE 代表取締役 リーダー服飾研究家
- BEST GRADE アカデミー主宰
- AICI国際イメージコンサルタント協会認定 国際イメージコンサルタントCertified Image Professional
- 一般社団法人パフォーマンス教育協会公認 エグゼクティブ・パフォーマンス・インストラクター