ゼレンスキー大統領の伝える力Part2
有事のリーダーに必須な言葉の表現力
経営者と企業のブランディングに印象管理の重要性を伝える国際イメージコンサルタントの吉村ひかるです。
Part2では、言語表現について見てみます。
ご存知の通り、ゼレンスキー大統領の演説力は素晴らしく、専門家達が嬉々として分析しています。
最終的には、「ロシアに制裁を加えて欲しい」、「ウクライナ人を助けて欲しい」ということなのですが、
演説する聴衆ごとに絶妙に伝え方を変えて、相手を鼓舞したり反省もさせています。
小学生からお年寄りまで、誰が聞いても理解できる話し方というのも見習いたいところです。
たくさんのポイントはあるものの、ここでは聞き手の印象を左右する3つのポイントを挙げたいと思います。
ブリッジング効果
ひとつは「ブリッジング効果」です。
話し手と聞き手の心に共感の橋を架けることです。
最初から最後までブリッジングだらけと言っても過言ではないでしょう。
例えば聴衆の土地に触れる、歴史に触れるなどがそうですね。
特に、聞き手の国の偉人達が残した言葉を引用するあたりは、一気に心の距離が縮まります。
イギリス議会では、チャーチル元首相やシェイクスピア、
アメリカ議会ではキング牧師、
ドイツではレーガン元大統領など、
世界中の誰もが知っている言葉を引用し、「ああ、そうだった。」と自国の歴史に重ね合わせて深く内省します。
巻き込み効果と言葉の並列・対比効果
もう一つは「巻き込み効果」です。
「I(私は)」という一人称はほとんど使用しません。
「ウクライナ国民の気持ちを代弁して話します」とか「我々西欧の者達は」と、必ず「We」を使用し聞き手の当事者意識を醸成します。
日本に至っては、「共通の価値観を持つ我々」と巻き込みます。
また、伝えたい箇所はウクライナ語からその国の言語に切替えて話しています。
最後は、「言葉の並列・対比効果」です。
言葉にリズムができるので、聞きやすく記憶に残ります。
たとえば、カナダ議会やイタリア議会では「想像できますか?」を並列して連呼しています。
「想像できますか、誰かがバンクーバーに包囲網を敷いているところを。」
「想像できますか、トロントの有名なCNタワーがロシアに爆撃されるところを。」
というふうにずっと続きます。
また、対比に至っては、
感謝と批判、
日本との遠距離と価値観の一致、
ベルリンの壁の自由と不自由など
挙げたらきりがありません。
聞くたびに感情が揺さぶられ、共感を感じずにはいられません。
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Written by 吉村ひかる
グローバルでトップ10%の国際イメージコンサルタントと認定される
イメージブランディングのプロフェッショナル
- 株式会社BEST GRADE 代表取締役 リーダー服飾研究家
- BEST GRADE アカデミー主宰
- AICI国際イメージコンサルタント協会認定 国際イメージコンサルタントCertified Image Professional
- 一般社団法人パフォーマンス教育協会公認 エグゼクティブ・パフォーマンス・インストラクター