ブラックスーツのゆくえは?
黒いリクルートスーツを良しとしてしまっている業界全体
経営者と企業のブランディングに印象管理の重要性を伝える国際イメージコンサルタントの吉村ひかるです。
2022年度卒業生(2023年3月卒業予定)の38%がすでに来春の就職先が内定しているという。
ああ、また就活生たちはあの黒いスーツを着て企業面接を繰り返しているのでしょう。
リクルートスーツに人気の高いお店に足を踏み入れると、どこも9割がブラックで残り1割がネイビーといったところでしょうか。
黒いリクルートスーツを良しとしてしまっている業界全体の姿があります。
これは就活生に対する無言の圧力以外のなにものでもないでしょう。
この春社会人になる男性が入社式にこのブラックスーツを着ていこうとしているので、
聞いたところ、「ネットで調べたら黒が一般的と書いてあった!」と胸を張って言うではないですか。
グローバル・コモン・センスの欠如とはこういうことなのかと、愕然としました。
この後、1時間にわたり延々とスーツの歴史と意味を伝えたことは言うまでもありません。
理解した上で着用するのは自由だと思うからです。
そもそもいつ始まったのか
我々が就活した頃はネイビーが主流でした。
いつのまにか、主流はブラックに。
そもそもいつ入れ変わったのでしょうか。
調べてみると、1998年頃から黒が見え始め、多数派になったのは2002年頃。
大きな原因としては不景気を反映して、就職活動以外にも着回しがきくことが理由らしい。
予算や汎用性重視ということでしょうか。
ファッション性が高く見えるとか、証明写真映えするといった理由もあるようです。
なかには、入社してからも冠婚葬祭にも使えると勧めている大人もいるという。
当方の仕事柄、このアドバイスには頭が痛いです。
葬儀のケースを取り上げてみても、服地も仕様も変わるので、無責任な発言という以外なく、これを良しとする社会人が育ち、グローバルに活躍する姿は想像したくないです。
グローバル・コモン・センスとしては、ブラックスーツはフォーマルシーンで着用(決まった仕様があります)するものであり、ビジネスでは基本的に着用しません。
採用する企業側から変わろう!
一方、採用する企業側を見た時に、「多様性」や「インクルージョン」をうちは取り入れていますと伝えている企業が多い割には、入り口の採用で見た目の同質化を求めていないだろうか。
異端と見なされるかもしれないという恐怖を抑え自分らしさを出そうとしている就活生を、「うちの会社に馴染めるかなあ」、とバイアスで見ていないだろうか。
採用する企業側の価値観が変わらない限り、この流れは変えられないかもしれません。
入社後には、ぜひとも先輩たちが世界で戦える装いのグローバル・コモン・センスを彼らに伝えて欲しいと願うばかりです。
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エグゼクティブに向けたイメージコンサルティングオフィスBEST GRADE
Written by 吉村ひかる
グローバルでトップ10%の国際イメージコンサルタントと認定される
イメージブランディングのプロフェッショナル
- 株式会社BEST GRADE 代表取締役 リーダー服飾研究家
- BEST GRADE アカデミー主宰
- AICI国際イメージコンサルタント協会認定 国際イメージコンサルタントCertified Image Professional
- 一般社団法人パフォーマンス教育協会公認 エグゼクティブ・パフォーマンス・インストラクター