アーダーン前首相のファッションが伝える共感力
共感力の印象管理
経営者と企業のブランディングに印象管理の重要性を伝える国際イメージコンサルタントの吉村ひかるです。
ニュージーランドの前首相、ジャシンダ・アーダーン氏の辞任に伴い、改めて彼女のファッションを振り返ってみたいと思います。
2017年に37歳の若さで第40代首相に就任し、同国では3人目の女性首相。
なんといっても、あの屈託のないビッグスマイルが大きな特徴で、高い決断力と優しさで国を率いてきたことはあまりにも有名です。
当然、発言や行動でしっかり示すものの、彼女の装いからもそれは十分に読み取れます。
多くのメディアでは、ファッショナブルな首相であることに注目していますが、
当方は彼女の装いから「共感力」があふれ出ていることに注目しています。
いくつか紐解いてみたいと思います。
意志あるスタイル
ロックダウン時に自身のfacebookから、「カジュアルな格好でごめんなさい。」と前置きして、
ラフなトレーナー姿で動画メッセージを発信していた姿は、皆様の記憶に新しいでしょう。
時に夕食の支度中、時にお子様を寝かしつけた後、でした。
常に国民に耳を傾けていることがダイレクトに伝わり、人々に寄り添い、同じ視線で物事に向かう姿が伝わってきました。
そして、クライストチャーチのモスクでの銃撃事件(2019年)では、敬意を示すために自ら率先してスカーフをまとい、
イスラム教徒への連帯を表明し、あらゆる境遇を理解しようと励む姿勢が伝わってきました。
また、先住民のマオリ族の権利拡大を目指し、部族の長たちと5日間を共に過ごす経験をし、
至る所で、彼女はマオリのマントをほうふつとさせるマントを羽織っています。
エリザベス女王の国葬の際、昨年来日され自衛隊の儀仗(ぎじょう)兵の前を歩く際もしかり。
人道面から、直面する課題に献身的に立ち向かう姿が伝わってきました。
他にも、相手に敬意と共感を示す姿勢が随所に見られます。
一例では、中国の春節に合わせてスピーチした際は、中国で縁起が良いとされる赤を身に着け、
報道陣にクリスマスプレゼントを渡す際はカジュアルなマルチボーダー柄を着、
いつもシンプルなスーツスタイルのフィンランドのマリン首相と会談する際は、正統派のシンプルスーツで合わせたりと、
余念がありません。
一方で、男性の国家リーダーが多く参加する国際会議に、スモーキーピンクやプリントワンピースを着て、多様性をアピール。
メディアに出演する際は、一層大ぶりなイヤリングに赤やピンクの鮮やかな装いで周囲を喜ばすことも忘れません。
現代が求めるリーダー像
従来の「政治家らしい」地味めなスーツに収まることなく、様々なシーンを「共感」の装いとして表現してきました。
言い換えると、前世代の権威型リーダーシップとは一線を画し、現代が求めるリーダー像を体現するかのようなアーダーン前首相。
包括性、多様性を尊重し、国民と心を通わせる丁寧なコミュニケーションは装いからもしっかり読み取れていました。
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エグゼクティブに向けたイメージコンサルティングオフィスBEST GRADE
Written by 吉村ひかる
グローバルでトップ10%の国際イメージコンサルタントと認定される
イメージブランディングのプロフェッショナル
- 株式会社BEST GRADE 代表取締役 リーダー服飾研究家
- BEST GRADE アカデミー主宰
- AICI国際イメージコンサルタント協会認定 国際イメージコンサルタントCertified Image Professional
- 一般社団法人パフォーマンス教育協会公認 エグゼクティブ・パフォーマンス・インストラクター